辰彦の日記

一介のサラリーマンが、人生の記録と、文書の練習のために書くブログ

ドキュメンタリー『塀の中の少年たち -なぜ彼らは殺人を犯したのか-』 感想

アマゾンプライムで配信されている米国発、表題のドキュメンタリーを視聴。

 

日本では、未成年が殺人事件を起こしても実名報道はされず、死刑や無期懲役も免れて、数年の刑期を経ただけで自由の身となる。

 

一方アメリカでは、未成年の犯罪者ながら終身刑を言い渡された者が2000人を超える。

ところが、2012年、最高裁によりこの判決が違憲だという判断がされた。そこで、あらためて10代という若さでおぞましい凶悪犯罪に手を染め、終身刑を言い渡されていた犯罪者たちが、再審請求によってその刑罰を見直される機会を得る。

 

遺族や被害者にとってはまさに寝耳に水。犯罪被害から、重度のトラウマや、精神的・身体的な後遺症を抱えながらも、事件から何とか立ち直ろうと生き延びてきたのに、犯人が刑務所から出てきてしまう可能性が出てきた。再審に当たっては証人として呼び出される始末。

 

このドキュメンタリーでは、全9話、各話異なる事件について、事件の概要を説明しながら、被害者側(被害者本人、家族、遺族、検事等)と、加害者側(加害者本人、家族、弁護士等)、両サイドのインタビューや主張が紹介される。

 

多くの場合に、加害者側の過去を掘り下げていくと、貧困、暴力・性的虐待、薬物、親との死別・離別などの背景が語られる。

 

私は、正直恵まれた環境に育ってきたこともあり、被害者側に感情移入してしまうし、未成年だろうが殺人を犯したのならば、成人と同様に裁かれるべきだと思っている。

しかし一方で、アメリカという国の、身近に銃が入手可能な環境には、同情してしまう。本ドキュメンタリーのほとんどの事件には、銃が関わっている。アメリカは、どうにか銃規制について今一度考えなおすことはできないかと思ってしまう。

 

果たして、凶悪犯罪に手を染めた未成年は、人生をやり直すチャンスをもらっていいのか。

本映像は、そんな神のみぞ知る問いに、ひたすら向き合うドキュメンタリーとなっている。 

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  • メディア: Prime Video