辰ひこの日記

一介のサラリーマンが、人生の記録と、文書の練習のために書くブログ

映画『TENET』(2020)ネタバレ感想

ダークナイト」シリーズ、『インセプション』(2010)、『インターステラー』(2014)などで知られるクリストファー・ノーラン監督の最新作『TENET テネット』を鑑賞してきた。※ネタバレ含む

 

あらすじ

ウクライナキエフ国立オペラハウスでテロが発生。CIAの特殊部隊員として、その鎮圧作戦に参加した「名もなき男」はテロリストに捕らえられ、尋問を受けてしまうも、機密情報を漏らす前に、自らの命を断とうと、毒薬の入ったカプセルを口にした。

しかしその中身は偽薬にすり替わっており、彼は船の上で目を覚ます。そこでフェイと名乗る男から、テストに合格したことを告げられる。そして、謎のキーワード「TENET(テネット)」だけを頼りに“未来から時間を逆行してくる敵と戦い、第三次世界大戦の勃発から世界を救う”というミッションを与えられる。

 名もなき男はある研究所で時間逆行装置と「時間を逆行する弾丸」について説明を受ける。時間を逆行する武器は未来で作られたものだという。彼は、逆行する弾丸の薬莢から、弾丸がインド製であることを突き止める。

その後、名もなき男はインドのムンバイで、相棒となるニールと合流し、現地の武器商人サンジョイ・シンのもとへ。サンジョンの影で実権を握る黒幕、妻のプリヤと会話し、弾丸を売っていたのは、ロシアの武器商人セイターであると知る。2人はセイターに取り入るため、その妻で絵画鑑定士のキャットと接触。彼女は、過去にセイターへ贋作の絵を売ってしまったために、脅され、束縛されていた。

キャットの信頼を得るため、名もなき男たちは絵が保管されているというオスロ空港(ノルウェー)の管理室へ。しかしそこで正体不明の何者かと乱闘になり、絵の破壊には失敗。

セイターの目的は巨大な時間逆行装置である「アルゴリズム」を使って、地球全体の時間を逆行させることだった。時間が逆行すれば、人類はたちまち滅亡してしまう。「アルゴリズム」はその危険性から、それを開発した未来の科学者によって9つに分解され、過去のさまざまな場所に隠されていた。

セイターはすでにそのうち8つを手に入れており、名もなき男たちはセイターと最後の1つ「プルトニウム241」を奪い合うことに。エストニアで名もなき男たちは「プルトニウム241」を手にすることに成功するが、時間を逆行してきたセイターに奪われ、さらにはキャットが「逆行する弾丸」で撃たれて負傷してしまう。

名もなき男とニールは彼女を治療するため、時間を逆行。その後再び順行の世界に戻るために、オスロの空港の倉庫にある回転ドア型時間反転装置を目指す。そこで過去の自分たちと鉢合わせ、あのとき出会った正体不明の人物が自分自身だったことを理解する。

自分が死ぬと「アルゴリズム」が起動するように設定したセイターは、過去の“14日”に戻り、自らの出身地であるスタルスク12で「アルゴリズム」を起動させる計画を立てていた。

それを知った名もなき男たちは、最後の望みをかけてスタルスク12へ。時間を順行する赤チームと逆行する青チームに分かれ、「プルトニウム241」を含む「アルゴリズム」の全てのピース奪還を試みる。

同じころ、キャットはセイターとベトナムにバカンスに行った“14日”に戻り、過去の自分が息子とともに船を離れている間にセイターが自ら命を絶たないよう見張ることに。

そしてスタルスク12での作戦が成功し「アルゴリズム」が分解された後に、キャットがセイターを殺す計画だったが、彼女は我慢できずに、スタルスク12での作戦成功の連絡が入る前にセイターを殺してしまう。

そのころスタルスク12では、「アルゴリズム」を起動させようとするセイター一味と、「テネット」の赤・青チームの激しい攻防がくり広げられていた。名もなき男は赤チームから独立して「アルゴリズム」を奪いに行き、廃坑のなかに閉じ込められてしまう。

そんな彼らを救ったのは、バックパックに特徴的なキーホルダーを付けた青チームの誰か。時間を逆行していた彼はセイターの部下を制し、「アルゴリズム」がある場所へ男たちが入れるように内側からドアを開けた。しかし彼はセイターの部下に頭を撃たれてしまう。

扉が開いたことで名もなき男は「アルゴリズム」を奪うことに成功。青チームとして動いていたはずのニールが穴にロープを投げ込み、彼らを救出。

作戦を成功させた名もなき男たちは、再び「アルゴリズム」をバラバラにして過去に隠すことに。別れ際、名もなき男がニールに彼らを過去に差し向けたのはいったい誰なのかと訊くと、ニールは笑いながら、それは未来の「名もなき男」本人であることを告げ、「また会おう」と去っていった。

そこで彼は、ニールのバックパックに先ほどの特徴的なキーホルダーが付いていることに気が付く。

その後、新たな「現在」に戻った名もなき男は、プリヤがキャットの命を狙っていると知り、自らの手で彼女を始末する。

 

感想

やはり初見では6~7割くらいの理解度で、所々、「今なんでこの人たちここにいるんだっけ…」と、置いてかれてしまったが、なんとか大筋なストーリーは理解できた。

ひとつひとつのアクションシーンの迫力もさることなが、いままで誰も見たことがない、逆行する世界の映像表現には心から感心した。特に、主人公が初めて逆行する世界に踏み出した時の、得体のしれなさは何度も見たくなる。間違いなく映画史に残る一本だと思う。

科学的な理論は、細かいところは「考えるのではなく、感じるのだ」と映画中でも言われているので、ツッコミどころがあるかもしれないが、深く考えすぎないのがいいと思われる。一方で、順行世界と逆行世界が同時に作用する現象を、シュレディンガーの猫的な、観測されるまでは、二つの状態の重ね合わせが50%で存在しているように表現しているのが非常におもしろい。

また、今の時代は、YouTubeや、ブログで解説や、考察がたくさんあるので、鑑賞後にそれらを見て自分なりの理解を深めていくのが楽しかった。

最後に、キャサリン約のエリザベス・デビッキ。191cmで10頭身の最強のスタイルで演じる縁起は、ワンシーンワンシーンが芸術作品のように映えて、素晴らしい魅力だった。  

Tenet

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